社内で運用するためにプログラム知識の必要ないRPAツールを導入

2023.1.10

社内で運用するためにプログラム知識の必要ないRPAツールを導入のサムネイル

株式会社モスフードサービス
経営企画本部 デジタル化推進部長代行 森永 龍文 様
デジタル化推進部 コーポレートITグループ シニアリーダー 武本 弘平 様

2022年に50周年を迎えた株式会社モスフードサービス様は、「感謝される仕事をしよう」という創業の心を大切に、日本生まれのハンバーガーショップ「モスバーガー」を展開されています。
デジタル化にも積極的に取り組まれており、今回はRPAツールEzAvaterをご導入いただきました。
今回は、EzAvaterの販売パートナーである株式会社ネクステージ様と共に、デジタル推進部の森永様と武本様に導入の経緯や利用用途、業務標準化のコツなどをお聞きしました。

“スーパーバイザー業務の標準化にRPAを活用。
属人化していた経営指導が数字分析により統一化”

本日は宜しくお願いします。
RPAを導入されたきっかけを教えて下さい!

森永様 : RPAが日本に入り始めた頃、弊社で適用できるか検証しようという話が上がりました。定型業務で、かつ繰り返しの単純作業の中で、スーパーバイザー(以下SV)の日報の作成作業が候補に挙がりました。

SV日報を簡単にご説明いただけますか?

武本様 : 弊社はフランチャイズ展開しているため、加盟店のオーナー様へ経営指導を行っております。SVが店舗を訪問して指導をする際に、以前は手書きのA4複写式の用紙に相談内容や次回までの課題などを各々が自由に記載し、本部と店舗で1枚ずつ保管していました。

手書き方式によってどのようなことが起こっていましたか?

武本様 : フォーマットが無かったので、指導の統一化が図れていませんでした。数字分析を行う者もいれば、定性情報のみ記載している者もいました。人によっては自社のポータルサイトから数字を拾って、自分でフォーマットを作って事前準備をして臨むSVもおり、属人化していました。

標準化の課題があったということですね。
EzAvaterを使ってどのように業務を標準化されましたか?

森永様 : どの数字を拾っているかはそれぞれ担当により異なっていました。そこでSVと調整して、決まったデータを訪店前にダウンロードできるように業務を標準化しました。どうしても店舗の方針やSVの考え方により、例外処理が必要になりますが、今回は例外処理を考慮せずにフォーマット化しました。

なるほど!このプロセスにRPAを活用できるというイメージを持たれたのですね。
実際に標準化できたことで、どのような変化がありましたか?

森永様 :「気を付けなければいけないところはここだ」という観点が数字を通してある程度統一化できたと考えています。

SV業務の質が上がったということでしょうか?

森永様 : 質で考えるのは難しいのですが、SVは加盟店様への指導を行うに当たって、個人の力量で行っていたところがあります。もちろんその部分も必要なのですが、フォーマットがあることで数字への意識が高まり、指導力の底上げができたと感じています。

業務フローの改善により、指導力の向上につながったということですね!
以前は他のRPAツールを使われていたとお聞きしました。
EzAvaterの導入を検討された理由を教えて下さい!

森永様 : ライセンスの料金改定があり、他のツールも検討しようと考えました。元々、社内でロボット作成を行うことを見据えていたので、社内で運用ができるものはないかネクステージさんに相談し、導入を決めました。

導入されていたRPAツールでの社内の運用はご検討されましたか?

森永様 : かゆいところに手が届くツールではありましたが、反面プログラム知識が必要であり、社内での運営は難しいと考えていました。プログラム知識が必要ないEzAvaterであれば社内でも運用できるというイメージを持つことが出来ました。

“新しい作業を覚えさせず、いかに簡単であるかを伝えることで使われるツールへ”

実際にEzAvaterを使っていただき、感じたメリットはありますか?

森永様 : 前のツールは、繊細で細かなところができるという利点があったものの、ちょっとした変更があるとエラーになりました。EzAvaterはエラーになりづらく、ロボットが止まらないのが良い点です。1度安定稼働してからは、止まったことは無いと思います。

どの程度作業時間の削減に効果がありましたか?

森永様 : 先程も少し触れましたが、今回自動化した業務は、従来行っていなかった業務です。そのため、以前の業務の削減時間を単純には計算することはできません。

その業務をSVの方々が手作業で行ったケースと比較するとどのぐらい削減できましたか?

武本様 : 手作業で行った場合、PCでの作業が得意な者であれば20分程度、苦手な者は1時間程度掛かります。3件訪店する場合、苦手な者であれば3時間掛かってしまいます。SVは店舗へ月1回訪店しています。2022年8月31日現在、国内で約1,254店舗ありますので、1回に掛かる時間を20分で計算しても毎月大体418時間が削減できていることになります。

なるほど! かなりの削減時間ですね

武本様 : その作業がメールを1通送れば、自動で店舗の決まった数字を探してきてくれます。私はSVの時に自分で数字を探していたので、非常に楽だと思います(笑)

どのような仕組みになっているか具体的にご説明いただけますか?

森永様 : 各店舗には店番号があります。SVが訪店する店舗の店番号を件名に入れてあるアドレスにメールを送ると、ExcelとPDFファイルで作成されたレポートが送られてきます。利用しているSVは、EzAvaterが入っていると意識していないと思います。

そのようなフローが御社に合っているということですか?

森永様 : SVに新しい作業を覚えさせることなく、使ってもらうことを考えた結果、このようなフローになりました。

利用が進むようになるために何か実施されたことはありますか?

森永様 : 新しい業務を導入するという形だったので、とにかく誰でもできるという点を強調しました。「いかに簡単にできるか」ということを、説明会やSV向けの会議の中で少し時間をもらってわかりやすく伝え続けました。

浸透するまでにどれぐらい掛かりましたか?

武本様 : 今までやっていない業務なので、半年以上は掛かったと思います。

すぐには使われるようにならなかったのですね。
使われるようになったきっかけは何ですか?

森永様 : SVは8つのエリアに分かれています。エリアマネージャーが「やってみよう」と前向きなチームは早かったです。また、代替わりをしたタイミングで、使っていた者がエリアマネージャーになり、一気に利用が進みました。

浸透したことがわかるエピソードはありますか?

森永様 : メンテナンスで利用できない時に、SVから「これから訪店があるんだけど、どうすれば良い?」という問い合わせが入るようになりました。このような時に、業務が浸透したということを実感しています(笑)

様々な面で活用が進んでいることがわかり安心しました!

森永様 : 今ではしっかり根付いていると思います。

今後は社内でのロボット作成もお考えとのことですが、どのように運用される予定ですか?

森永様 : 社内に業務改善のコンサルティングチームがあり、業務の棚卸しと標準化を推進しています。ムリ・ムラ・ムダを改善するような新しい業務フローを構築しています。業務部門からアイデアがあがり、それに対してコンサルティングを行っていくスタイルです。新しい業務フローができた時、そこに人的リソースを割り当てるという解決策もあると思いますし、ロボットを実施した方が適切と判断した時にはロボットの適用を検討します。

シナリオ作成もそちらのチームで運用される予定ですか?

森永様 : まだ明確に決まっているわけではありません。今後は社内で構築することもあると思いますし、難易度が高いものであればネクステージさんに依頼することもあると思います。

研修プログラムやハンズオンセミナーも行っておりますので、ぜひご活用いただければと思います

“新しい業務フローを押し付けるのではなく、
業務部門がやりたい形で標準化することが重要”

今後ロボット化したい業務はありますか?

森永様 : 社内システムからデータを持ってきて、何らかの形で加工し、それを基礎情報として業務を進めるようなものがいくつかあります。この中で、頻度の多いものを基本的には優先して取り組みたいのですが、あまりにボリュームが多いと、システムを独自で組んでしまった方が良い業務もあります。。0からシステムを組んでしまうとコスト高になってしまうような業務で、人手で解決しているような業務がターゲットになってくると考えています。また、先程お話した通り、業務改善チームと連携していくと思いますので、標準化できた業務の中からもロボット化を検討していきます。

業務を標準化するうえで、どの辺りが難しい点でしょうか?

森永様 : 業務部門が「この形で標準化したいんだ」というように気持ちが高まらないと、こちらからいくら「標準化できます」と言っても使われないものになってしまいます。それは誰も望んでいることではありません。

なるほど! 利用される現場の方々が望む形で標準化するというのは盲点かもしれませんね

森永様 : その点は弊社でも模索中です。他社さんではどのように克服しているのか知りたいです。

そのような情報も提供させていただければと思います。
最後に今後について何か考えられていることはありますか?

森永様 : 業務の自動化を促進することはもちろん重要ですが、同時に野良ロボットができないようにしっかり管理していきたいと考えています。

推進されるだけではなく、管理もしっかりされていくということですね。
本日はありがとうございました!

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