クラウド型RPAのメリット・デメリット

2021.9.13

クラウド型RPAのメリット・デメリットのサムネイル

今回はクラウド型RPAツールのメリットとデメリットについてお伝えしたいと思います。
当社は、EzAvater(イージーアバター)というデスクトップ型RPAツールを開発していますが、RPAツールは用途や使う人によって使い分けるべきだと考えております。本コラムが皆様の製品選定の参考になれば幸いです。

■ もくじ

クラウド型RPAツールって何?

デスクトップ型やサーバー型RPAツールはPCやサーバーにRPAツールをインストールして利用しますが、クラウド型RPAツールはクラウド上にあるRPAツールにブラウザでアクセスして利用します。文字通り、RPAのクラウドサ―ビスです。

デスクトップ型RPAツールとサーバー型RPAツールの違いについては、こちらのコラムをご参照ください。

クラウド型RPAツールのメリット

早速ですが、様々なサイトで謳われているクラウド型RPAツールのメリットをまとめてみました。

①物理的なPCやサーバーを用意する必要がない
②バージョンアップ作業が不要
③RPAツールを動作させながら同時に他の作業ができる
④PCをシャットダウンしてもRPAツールを稼働できる
⑤OSを問わない
⑥スモールスタート可能
⑦インターネットにつながれば、外部からもアクセス可能
⑧開発期間や初期費用、ランニングコストを削減できる

クラウド型RPAツールには多くのメリットがありますね。そのメリットについてひとつひとつ考察していきたいと思います。

まずは、「①物理的なPCやサーバーを用意する必要がない」というメリットについて考えます。クラウド型RPAツールは、RPAツールがクラウド上に準備されていますので、RPAツールをインストールするPCやサーバーを用意する必要がありません。
そのため、PCやサーバーの管理やRPAツールのインストールも不要です。

②バージョンアップ作業が不要」という点は、RPAツールのバージョンアップもサービス提供者が行うため、ユーザー側でのバージョンを意識する必要が無くなります。

インストール作業やバージョンアップ作業は、デスクトップ型RPAツールであるEzAvaterでも難しい作業ではないため、それほど大きなメリットではないかもしれませんが、RPAツールのために新しいPCやサーバーを購入する必要がない、管理する必要もないという点は、デスクトップ型、サーバー型RPAツールと比較して大きなメリットであると思います。

③RPAツールを動作させながら同時に他の作業ができる」という点については、業務用PCにはRPAツールをインストールせずにクラウド上のRPAツールが業務をしてくれるので、クラウド上のRPAツールが動作している時にも業務用PCでいつもどおりPCを操作できます。

これは、デスクトップ型RPAツールの場合も、RPA専用PCを用意しておけば、業務用PCではいつも通り業務を行うことができますので、大きなメリットとはならないかもしれません。

④PCをシャットダウンしてもRPAツールを稼働できる」というメリットについても、デスクトップ型RPAツールでもRPA専用PCを用意しておけば業務用PCはシャットダウンしてもRPAツールを稼働できます。しかし、ユーザーにとってはPCを用意する必要がないこと、不用意にRPA専用PCを操作されないように設置場所を考慮する必要もない点がメリットです。

⑤OSを問わない」という点については、WindowsだけでなくMacやLinuxでも利用可能であることが、大きなメリットの一つです。
デスクトップ型RPAツールはWindows以外のOSに対応していないことが多いため、Windows以外のOSをご利用の方にとってはメリットとなると思います。クラウド型RPAツールは、ブラウザでクラウド上のRPAツールにアクセスして利用できるため、基本的にはブラウザが搭載されているOSであれば、何でも利用可能です。しかし、対応しているブラウザに制限がある可能性もありますので、詳細については、各クラウド型RPAサービス提供企業様にお問い合わせください。

⑥スモールスタート可能」という点は、デスクトップ型RPAツールもPCが1台あれば簡単に使い始めることができますが、PCを手配する必要がないという点からクラウド型RPAツールの方がより簡単にスタートできると言えます。

⑦インターネットにつながれば、外部からもアクセス可能」という点は、在宅勤務・テレワーク環境では大きなメリットになるでしょう。クラウド型RPAツールは、インターネットアクセスがあり、ブラウザがあればRPAツールを操作できますので、テレワーク環境では大きなメリットです。

デスクトップ型のRPAツールの場合、社内に設置したRPAツールにアクセスするには、VPNアクセスやリモートデスクトップなどを利用する必要があります。そのため多くの場合、情報システム部の助けが必要となります。どこからでもRPAツールにアクセスしやすいという面では、クラウド型RPAツールはデスクトップ型、サーバー型RPAよりも優れていると言えます。

⑧開発期間や初期費用、ランニングコストを削減できる」などのコスト面については、デスクトップ型RPAツールと比較して安いと言い切れるかと言うと疑問が残ります。

クラウド型RPAツールは従量課金のサービスが多く、利用料が多ければコストも高くなる場合があります。デスクトップ型RPAツールの場合の場合は、従量課金ではないため、費用の変動はありません。どれだけRPAを使うかによって、クラウド型RPAツールの方が高くなる可能性があります。

また、デスクトップ型RPAツールは安価な製品も多く、クラウド型RPAツールの方が安いとは言い切れません。なお、初期費用が不要なデスクトップ型RPAツールも存在します。コストの比較は難しいと思いますが、なるべく同じ条件で見積をとって比較することをオススメします

ここまで、クラウド型RPAツールのメリットをお伝えしました。特にRPA専用のPCやサーバーを用意する必要がない、PCやサーバーを管理する必要がない、Windows以外のOSでも利用可能、インターネットにつながれば社外からも接続可能という点については、クラウド型RPAツールならではの魅力だと思います。

クラウド型RPAツールのデメリット

クラウド型RPAツールのデメリットについてもご紹介します。以下は様々なサイトで記載されているデメリットをまとめたものです。

①情報漏洩のリスク
②PCにインストールされているアプリは操作できない
③PCに保存されているファイル操作ができない
④オンプレのファイルサーバーに保存されているファイル操作ができない
⑤自動化できる業務がクラウド上の業務に限定される
⑥インターネット接続できる環境が必要
⑦従量課金の場合、割高になる場合もある

デメリットもひとつひとつご説明したいと思います。

①情報漏洩のリスク」については、どのサイトでも記載されていました。クラウド上にRPAツールがあるということは全世界とインターネットで繋がっているということになります。全世界からサイバー攻撃を受ける可能性があるということであり、情報漏洩のリスクは高くなります。

基幹システムやSFAなどもクラウドサービスを利用しているのでRPAもクラウドサービスで問題ないと思われるかもしれませんが、RPAツールは個人情報や機密情報を扱うことが多いツールなので、サービス提供者のセキュリティ対策や情報が漏洩してしまった場合の対応についても確認する必要があります。メリットとしてインターネットにつながれば、外部からもアクセス可能という点が挙げられていましたが、どこからでもアクセスできるということはリスクも伴います。

「②PCにインストールされているアプリは操作できない」
「③PCに保存されているファイル操作ができない」
「④オンプレのファイルサーバーに保存されているファイル操作ができない」
「⑤自動化できる業務がクラウド上の業務に限定される」

という点はクラウド型RPAツールの大きな弱点であると言えます。
クラウド上にあるRPAツールは社内の業務PCやファイルサーバーにアクセスできないため、そこに保存されているファイルやアプリケーションを操作することができません。

ファイルサーバーにある機密情報を何かしらのクラウドサービス上に移動することができれば操作可能ですが、別途、他のクラウドサービスを契約する必要がある点やその情報をクラウド上に保存することがセキュリティ上できないという場合は、クラウド型RPAツールの利用が難しくなります。

クラウド型RPAツールと社内をVPNで接続するサービスもあるようですが、①情報漏洩のリスクで述べたようなリスクもあるため、②~⑤のような要件がある場合は、デスクトップ型やサーバー型RPAのご利用を検討された方がいいかもしれません。クラウド上のSFAからデータを抽出しクラウド上の基幹システムに自動入力するといった業務であればクラウド型RPAツールでも可能ですので、自動化したい業務内容に応じてツール選定をしましょう。

また、クラウド型RPAツールのデメリットとして「⑥インターネット接続できる環境」が必要である点も挙げられています。自動化シナリオを作成する際や設定を変更するときにはインターネット接続が必要となります。多くのデスクトップ型やサーバー型のRPAツールはインターネット接続できない環境でも利用可能ですので、インターネット接続できない環境でRPAを利用したいという場合は、クラウド型RPAツールはご利用できませんのでご注意ください。

⑦従量課金の場合、割高になる場合もある」という点も注意すべきポイントです。クラウド型RPAツールのメリットに挙げられている「開発期間や初期費用、ランニングコストを削減できる」でもご説明しましたが、RPAツールで自動化する業務数や操作ステップ数が多い場合、デスクトップ型RPAツールよりも割高になる場合があります。クラウドサービスだから安いという訳ではないので、同じ条件で複数のRPAツールを比較することを推奨します。

上記のメリット、デメリットには挙げらていませんが、「使いやすさ」や「使いこなせるか?」という点も重要な要素です。
どのような提供形態のRPAツールであっても「誰がRPAツールを使うのか?」「RPA利用者が使いこなせるか?」という部分が最重要ポイントとなります。提供方法や機能、価格だけではなく「誰がRPAツールを使うのか?」「RPA利用者が使いこなせるか?」という点についても製品選定の際に必ずご検討ください。

RPAの選び方についてはこちらのコラムを参考にてください。

クどのような方にクラウド型RPAツールはオススメか?

ここまでクラウド型RPAツールのメリットとデメリットについてお話ししてきました。では、どのような方にクラウド型RPAツールはオススメなのでしょうか。

・社内システムの多くがクラウドサービスを利用中
・ファイルサーバーもクラウド上にある
・従量課金の方がデスクトップ型やサーバー型よりコストメリットがある
・RPAツールのためにPCやサーバーの管理をしたくない
・テレワーク環境でもどんどん業務を自動化していきたい
・自宅などから社内に接続する環境(VPNなど)がない
・RPA担当者(または候補者)がクラウド型RPAサービスをお試しして使いこなせそう
・クラウド型RPAツール提供者の情報セキュリティ対策や情報漏洩時の対応に問題はない

というような場合には非常に素晴らしいサービスになるのではないかと思います。自社にあったRPAツール選びの参考になれば幸いです。

RPAツールを自社運用することをご検討されているようであれば、自社運用できるかどうかが最重要ポイントになると思いますので、実際にツールを利用してから比較検討していただければと思います。

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ペンネーム アバ太

EzAvaterで事業を始めた人。1児のパパ。

趣味:ロードバイク ヒルクライム
悩み:家の近くに山が無いこと
好きな言葉:志定まれば、気盛んなり
好きなキャラクター:
鬼滅の刃 善逸
キャプテン 谷口

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