RPA活用を成功させるための運用体制の作り方

2021.7.5

RPA活用を成功させるための運用体制の作り方のサムネイル

■ もくじ

  • RPA導入後の課題
  • 運用体制づくりで失敗する原因
  • 運用体制をつくるポイント
  • 成功する運用体制を実現するために

RPA導入後の課題

比較や検証が終わり、導入ツールを決定し、いざRPAの運用を始めようというとき、運用体制や社内への展開などに課題に感じたことはありませんか。導入までだけでなく、導入後にもRPAに関する課題はつきません。
下記は当社がセミナーでお客様に取ったアンケートの結果です。
(図)RPAで悩んだこと
悩んだこと、迷ったことの中でも、「自動化シナリオの作成」や「RPAの運用体制の構築」、「社内利用の促進」など導入後の課題も目立ちます。
今回はアンケート結果でも上位の課題としてあがっていた「RPAの運用体制の構築」に着目し、RPA活用が成功しやすい体制構築の方法について解説していきたいと思います。

運用体制づくりで失敗する原因

RPAをせっかく導入しても社内で活用が進まなければ、導入の意味がありません。社内での活用促進をするには適切な運用体制を築くことが重要です。

失敗しやすいケースとして、2つ事例を挙げます。
1つ目は「トップダウンで導入が決まり、かつ導入の目的が不明瞭」というケースです。RPAツールに限らず、ITツールの導入は課題が明確になっている現場からのボトムアップでないと失敗しやすい傾向があるといわれています。具体的にどのような課題が発生するのでしょうか。

▼トップダウンの導入で陥りやすい課題

  • 上から「RPAを使って業務を改善してくれ」と言われたが、何から手を付けていいかわからない
  • IT部門でRPA導入、活用の推進を任されたが、「他の業務で今は忙しい」と事業部門から協力が得られない

上記のように本来解決すべき課題(RPAの場合は業務効率の改善など)を抱えているはずの事業部門が、主体性をもって活用を促進することが難しい状況に陥ってしまいます。

2つ目は「IT部門で一括ロボット作成する運用体制」です。このような運用体制をとる場合、下記のようなフローが必要です。

①事業部門への対象業務のヒアリング
②対象業務の手順確認・ロボットの作成
③作成したロボットのメンテナンス

しかし、各フローで下記のような課題が生じてしまいます。
(図)IT部門の役割

結果、スピード感をもって業務の自動化を進めることができず、社内利用が進まない原因となってしまうのです。

運用体制をつくるポイント

「運用体制で失敗する原因」であげた事例のとおり、失敗する原因として「IT部門(もしくは推進担当部門)」と、実際に活用すべき「事業部門」がうまく協力体制を築けていないということが挙げられます。

失敗しない運用体制をつくるポイントとして「事業部門の当事者意識」があります。活用部門で当事者意識を持てないと、IT部門(もしくは推進担当部門)とうまく協力関係を築くことができません。それは推進担当者のモチベーションにも関わってきます。また、RPA導入は、業務の自動化ロボットを作って終わりではなく、業務フロー自体の見直しや生産性向上も視野に入れる必要があります。そうしたことは、推進担当者ではなく、各事業部門が主体となって取り組む課題です。

一例ではありますが、失敗しにくい運用体制として下記のような運用体制があります。下記の例は、「事業部門主体で、推進担当部門(IT部門)がサポートする」という体制です。
(図)RPAの運用体制
このような体制をとるメリットは運用を事業部門主体で行うことで、業務ヒアリングや業務手順の説明のフローが省けるため、スピード感をもって業務の自動化に取り組むことができる点です。また、IT部門(もしくは推進担当部門)が運用の主体ではなくサポートに回ることで、事業部門が当事者意識をもって取り組むことができます。上記は一例ですので、基本の推進体制をベースに、柔軟に運用していくことが成功の秘訣です。

成功する運用体制を実現するために

成功する運用体制のポイントは「事業部門主体で運用する」ことだとお伝えしましたが、これを実現するためには事業部門が主体で運用できるRPAツールを選定する必要があります。導入の段階で、現場で運用することを前提にツールの比較をしていれば問題ありませんが、運用体制を作る段階になって、各事業部門での運用が難しいという課題に直面するケースもあります。

このような事態を回避するためには、比較の段階で現場で運用することを前提にツールの選定をする必要がありますが、すでにRPAツールを導入してしまっている場合には「複数のツールを使い分ける」という方法も解決策の1つです。各部門のスキルレベルに応じて、部門ごとに複数のツールを使い分けることで、各部門が主体での運用ができ、社内利用の促進にもつながります。

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アイコン_齊藤
ペンネーム りっぴ

大学卒業後、新卒でテリロジーに入社。EzAvaterの営業を担当。
出身地:神奈川県大和市
趣味:ピアノ、ゲーム
好きなゲーム:ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド、GHOST OF TSUSHIMA など

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