働く人の業務を、最新のテクノロジーを活用して、 最高の効率化を実現する。

2020.10.4

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株式会社デザインフィル
執行役員 財務・経理部長 ICT部長 渡邊 恵介 様
管理本部 ICT部主任 今村 貴明 様

“中小企業が抱えるRPAの課題。
経験と勘の中で属人的になっている業務をRPAは解決できるの?”

本日はお忙しい中ありがとうございます。はじめにRPA導入のきっかけを教えてください。

渡邊様 : 毎年行う経営方針発表会で、2017年の7月に、当社の社長からRPAの導入、及び紹介のプレゼンテーションがあったのがきっかけです。

当時のRPA導入の目的は何でしたか?

渡邊様 : 今も当時と同じですが、ICT部門は、「働く人の業務を、最新のテクノロジーを活用して、最高の効率化を実現する」という経営方針のもと活動しています。社長は、「見えない次元の競争優位を構築したい」と良く言います。
表向きはノートなどの商品を販売するキラキラしたイメージ、でも、裏側では高速回転で業務がまわっているというのが1つの目指すところでした。

業務効率化を目的とするとRPA以外の選択肢もあったと思います。他にも活用していますか?

渡邊様 : 経営方針の中で、ICT部門は常に新しいテクノロジーを試すチャンスを貰っていましたので、色々と活用しています。例えば、OCRや帳票の電子化、業務システムとしてkintoneを活用しています。あとiPhoneの導入もその1つです。
当初からRPAだけで業務改善を行うという考えはなかったですね。

他のツールも活用する中で、RPAに最初に期待されたことは何でしたか?

渡邊様 : 最初は、業務の生産性向上が狙いでした。ただ、使っていくと、RPAの能力を1番発揮できるのは、多くの人が同じ業務をやっている場面だと気づいてきます。
ところが当社の規模ですと、そういう業務はありません。大企業ですと20人体制でやっている業務も、当社だとせいぜい2人、何なら1人という状況です。1人の担当者が、経験と勘の中で上手いことやっているというのが現実なのです。そうすると最初はRPAの力が思ったよりも発揮できないかもという危惧がありました。

300名規模(パート社員を含む)の御社でも、それぞれの担当は、
属人的に業務を行っているということでしょうか?

渡邊様 : 当社は、文房具の製造メーカ-ですが、中身は4つの事業部門で成り立っています。文具を製造して問屋さんに販売する一般的なモデル以外に、自社の店舗で販売をするSPAの業態、企業様にカスタマイズ商品を販売するOEMのビジネスモデル、あとオンライン販売もしています。1つの会社に色々なビジネスモデルが混在しています。担当者が少数精鋭になる理由です。

属人的な業務をRPAで解決するのは難しいのではないでしょうか?多くの中小企業が同じような悩みを抱えていると思うのですが

渡邊様 : 2017年7月の方針発表会のあと、最初に導入したRPAは上手く行きませんでした。部署にRPAを紹介しても反対意見が多かったです。今思い返すと、自分たちの業務が奪われてしまうという恐怖感があったと思います。
「私たちの業務は人と人の阿吽の呼吸でやっているから!」みたいなニュアンスのことを良く言われました。

RPAに対する抵抗感をどうやって期待感に変えていきましたか?

渡邊様 : 要因は3つあるのかなと思います。1つ目は、やはり小さいところから始めること。2つ目は、実際に動くところを見てもらって、現場に実感してもらうこと。3つ目は、象徴的な実績をつくること。最初から分かっていた訳ではなかったですが、やりながら重要だと感じました。

3つのポイントが効果的だということですね。何故この3つが大切なのですか?

渡邊様: 当社の様な中小企業の現場は、業務が属人化の中で最適化している訳です。みんな日々改善しています。ICT部門は、業務フローをプロセス化するのは得意かもしれません。大手企業ならば、我々の考えた業務フローでRPA化した方が、成果がでるかもしれませんが、当社の場合は、現場の方が業務を良く知っています。
さらに、現場はマルチタスクを抱えています。1つの業務だけやっている訳ではありません。

今村様 : 1つ分かりやすい例があります。朝の9時に、本社でない違う場所で行う業務があるとします。 するとその担当者は、たった1つのその業務のために、朝9時に別の場所に移動しないといけません。
マルチタスクを抱えている担当者からすると、凄くストレスがかかります。時間指定で簡単な単純作業をすることは、RPAの得意分野です。小さなところから始めて、担当者にRPA使えるよねと思ってもらうことが大切です。

小さいことでも現場にとっては凄く役に立つということですね。2つ目の動くところを見てもらうというのはどのような意図がありますか?

今村様 : 現場は余裕のある働き方をしている訳ではありません。フルで働いている状況で、新しいものを取り入れるのは、怖いことだと思います。新しいのを入れるとどうしても負荷がかかるので、そこを了承しても変えたいと思ってもらうには、実際に動くところを見てもらうことが効果的です。丁寧に説明すれば、RPAは怖いものではないと思ってもらえます。

3つ目の象徴的な実績に関してはどうですか?

今村様 : ICT部門にたくさんの課題が挙がってきます。ICT部門で動いているのだけでも、今は30件くらいあります。
そのうちRPAで解決できることは1~2割で、その他のテクノロジーや、そもそもその業務がいらないのでは?という場合もあります。
上がってくる課題に「、これRPAで解決できないの?」と質問されることが多くなってきました。その契機になったのが、基幹システムに商品マスターを登録する作業が自動化できるようになったことです。
7日間(56時間)かけていた業務が5時間で行えるようになりました。象徴的な成功事例によって、ますますRPAへの期待感が高まったと思います。

この3つのポイントを実現できるサービスがEzAvaterということで、導入頂いた訳ですが、決め手が「キャラクターが可愛いから」と聞いています(笑)その辺りの真意を聞かせて貰えますか?

渡邊様: 本当にキャラクターが可愛いことは重要です(笑)その真意を説明しますと、当社の様な中小企業は、業務を一番知っているのは現場です。現場が使いたいと思えないRPAは意味がありません。バックオフィスの社員は、女性が多いので、キャラクターが可愛いというのは、抵抗感をなくす上で、とても大切なことでした。

とっつきにくさを失くすには、デザインも必要ということですね(笑)以前使っていたRPAも簡単を売りにしているものだと思いますが、違いはありましたか?

今村様 : 前に導入していたRPAは簡単に使えるが特徴のものだったのですが、マニュアルがあったりと現場からすると抵抗感のあるものでした。エンジニアではない一般の社員が、何かのシステムを触るときは、どこを触っていいかわからないという怖さがあると思います。
EzAvaterではその怖さがすごく和らいでいます。クリックであれば、わかりやすくクリックと書いてあって、マウスのアイコンがあったりするので、押しても大丈夫と思える。マニュアルがなくても直感的に操作できるところが良いと思います。

ありがとうございます。今までお話を聞くと、RPAの効果は一般的に言われているような費用対効果だけではないような気がします。RPAの効果についてはどうですか?

渡邊様 : 費用対効果はもちろん大事です。しっかりと出ています。ただ、費用対効果よりも当社にとって大切なことは、RPAがあることで解決の幅が広がることだと考えています。
元々、RPAですべての業務を解決しようとは思っていませんし、そういうものではないと考えています。しかし、RPAがあるとないとでは全然違います。未来の話をすると、RPAもExcelと同じようにみんなが使う時代が来ると思っています。
Excelがあることで知らないうちに業務が効率化しているように、RPAもあるのが当たり前になることが理想です。EzAvaterのように現場に抵抗感がないRPAがもっと広がっていくと良いと思います。

全社員がRPAを使える世界素晴らしいです!弊社のセミナーを積極的に活用頂いているのも社員への教育が目的だと思いますが、象徴的な現場の声はありましたか

今村様 : 実際に教育を受けた社員から「、結構自覚せずにいろんな業務をやっている」と声があがっています。
ロボットに命令する時にはそこをきちんと明示化しなければいけないということの難しさを感じたと言っていました。プログラムの知識は全然必要ないんですけど、ロジックを組むスキルは必要なのかなと思っています。自分の業務を明示化するトレーニングも教育の中に取り入れることで、よりRPAの活用が進むと感じています。

弊社も今後さらに良い教育を一緒に考えていきたいと思います。最後に御社にとってのRPAの価値は?という質問で締めて頂いても宜しいでしょうか。

渡邊様 : なかなか難しいですね(笑)まとめますと、当社は、個々人がクリエイティブに、新しい商品やサービスを作ることが収益に繋がります。でも、実態は、仕事の半分は事務的なことをやっているという現実がある。
事務的な業務を少しでも小さくして、クリエイティブな業務に使える時間を増やして欲しいというのが根底にある我々の考え方です。その点で当社におけるRPAの価値は、社員がクリエイティブな仕事ができるようにするためのツールみたいな、そんなんでどうでしょうか。

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