自動化する業務が見つからない時に考えたい3つのこと

2022.9.26

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RPAツールの導入を検討中の方から「自動化する業務が見つからない」「対象業務1つしかない」という言葉をよく耳にします。本コラムは、自動化対象業務の選定にお困りの方に向けて自動化する業務を検討するコツを解説します。

①全社に向けた「対象業務の募集」や「業務の洗い出し」は効果が薄い

RPAツールの導入を検討する際、多くの方は導入ステップの1つとして「業務の洗い出し」をあげるのではないでしょうか。導入ステップの早い段階で業務の洗い出しを推奨している文献やコラムも数多く存在します。
自動化する業務の検討では、どのような業務が存在するか、誰がどんな頻度で実施しているか、という現状を把握することは重要です。しかし、現状の把握のために大掛かりな業務の洗い出しがRPA導入の妨げなってしまうことは少なくありません。
また、「対象業務の募集」も期待するほど集まらないことが多いと言われています。

多くのRPAベンダーは「業務の洗い出しシート」を提供しているでしょう。実際に当社にもご用意があります。業務の洗い出しは重要である反面、進め方を間違えると自動化する業務が見つからない事態を招きます。

業務の洗い出しを進める前に確認したいポイントは以下の3点です。
・RPAの説明会を実施する
・担当者の目の届く範囲でスタートする
・RPA導入前の業務選定の段階で細かく書きすぎない

初めてRPAを導入する場合、当然多くの社員はRPAについての理解はありません。ポイントの1つ目にある「RPAの説明会を実施する」は、業務の洗い出しを行う際に最低限のRPAの知識を持つことで的外れな業務を選定したり、過大な期待をしてしまうリスクを回避できます。業務の洗い出しを行うメンバーでトライアルを実施することもおすすめです。

2つ目にある「担当者の目の届く範囲でスタートする」は、RPA導入の推進担当者が、フォローできる距離の範囲で業務に洗い出しを行うことを意味します。
全社で一斉に業務の洗い出しをしても、RPA推進部門との距離があると相談しにくく他人事になりがちです。まずは身近な部門で自動化を始め、社内事例を作ると良いでしょう。担当者の所属する部門でRPAを導入し、社内で共通して使用するワークフローやSFAなど象徴的な業務を自動化すると一気に親近感が湧き、他の部門の興味を引きます。

最後に「RPA導入前の業務選定の段階で細かく書きすぎない」については、業務負担を軽減することにつながります。業務の洗い出しでは、業務手順のフローチャートを作成し、所要時間や業務数、使用するシステム情報やログイン情報まで細かく場合もあります。そこまで細かいものは、RPAの導入が決まった段階で作成すれば良いでしょう。
RPA導入前は、ルーティンワークと感じている業務リスト化するように、少ない設問で業務の洗い出しをしていきます。そしてリスト化した内容をベンダーに共有し、どの業務が自動化に適しているか相談すると適切な回答が得られるでしょう。

②RPAが対応する業務の範囲を決める

RPAで自動化できる業務が見つからない!と嘆く方の多くは、特定の業務の全工程をRPAで自動化させることを考えがちです。これが悪いとは言いませんが、細かく業務を分けて考えると自動化できる業務が見えてきます。

前述にリスト化した内容をベンダーに共有し、どの業務が自動化に適しているか相談するとありますが、大雑把に自動化対象の業務リストを作成したとしてもベンダーに最初に取り掛かるべき業務をピックアップしてもらい、そこから詳細な業務内容を確認すれば無駄がありません。詳細な業務内容を確認することで、1つ1つの工程の自動化の可否が判断できます。100%自動化できないといって自動化を諦める必要はありません。全体のうち80%がRPA、残り20%は人が対応、といったようにRPAにすべてを任せずとも、大きな負担軽減につながるのではないでしょうか。

1つの業務すべてをRPAに任せるという考え方を辞めると、自動化できる対象業務を増え、その積み重ねで大きな導入効果をもたらします。

③人とロボットの歩み寄り

自動化を推進するにあたり、人とRPAがお互いに働き易い環境を整えることも必要です。RPAは優秀な助手として人の業務を代行しますが、あらかじめ決められた業務シナリオを実行することに留まります。
より多くの業務をRPAに任せるためには、RPAが判断しやすい・わかりやすい業務フローやテンプレートに変更することも検討すると良いでしょう。
業務を細分化して考えると、現状の業務フローに改善の余地があることに気づくケースが多く存在します。そのような業務フローはRPA導入の機会に見直すチャンスです。業務処理をよりシンプルに、曖昧になっている部分や暗黙知となっている部分を明らかにすることで、人もRPAもわかりやすい業務フローとなります。
自動化する業務が見つけるためには人とRPAが共存することを前提に業務を捉え、適材適所を意識した業務分担を考えることが重要です。

まとめ

「自動化する業務が見つからない時に考えたい3つのこと」がテーマの本コラムですが、このコラムに辿り着いた方は、一度はRPAを検討したものの対象業務が見つからずに検討を見送った方も多いのではないでしょうか。
私がお会いしたお客様でも、「業務の洗い出し」で一度挫折された方がいらっしゃいますが、一度失敗しても身近な業務を自動化しスモールスタートすることにより、全社導入に成功しています。
失敗を防ぐRPAの導入の流れはこちらのコラムにて詳しく解説しています。

EzAvaterは、トライアル期間中にハンズオントレーニングや個別相談会も無償で受講できます。操作方法を学んだうえで、自動化したいと考えている業務についての相談することできるので、安心して検討を進めることができます。自動化する業務が見つからずRPA導入を見送った方は、ぜひRPA導入に再チャレンジしてくださいね!

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高橋画像
ペンネーム あゆみさん

仙台市出身
ITソリューションを提供するマルチベンダーで営業・マーケティングを経験し、2019年にテリロジーへジョイン。
現在はRPAツールのマーケティングを中心に活動中。
趣味は温泉旅行だが、若干潔癖症のため大浴場は苦手。

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