RPA導入に対する情シスの本音

2022.7.27

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情報システム部の方々は社内から「RPAを導入したいから支援して欲しい」「どのRPAツールがいいのか分からないので製品選定を支援して欲しい」といった要望を受けることが増えているのではないでしょうか。このような依頼を受けてRPAの導入検討を支援されている情報システム部の方々からお聞きしたお悩みとその解決のポイントをまとめました。

情シスの本音

現在は、中堅・中小企業のRPA導入が本格化しています。その中堅・中小企業の情報システム部の方がRPA導入について不安に思うこと、悩むことは何でしょうか。多くの中堅・中小企業様の情報システム部の方が異口同音に以下のようなご意見をお持ちでした。

「各部門で運用して欲しい」
「情シスが自動化シナリオを作るのは現実的ではない」
「情シスに問い合わせが殺到するとその他の業務がこなせない」
「情報システム部でロボットを集中管理したい」

情シスではなく各部門でシナリオを作り、運用して欲しいという意見が大多数でした。最もITに精通している情報システム部の方々は各部門で運用して欲しいとお考えのようです。

悩みの背景

では、なぜ最もITに精通している情報システム部の方々は自部門ではなく、各部門でRPAを運用して欲しいとお考えなのでしょうか。一言でいうと「人手が足りていない」からです。IaaS、SaaS、仮想化、ネットワーク、セキュリティ、PC、オンプレのサーバなどなど、様々なシステムのメンテナンス、更改、次期システムの企画・設計に加え、日々のトラブル対応もしなくてはなりません。日本企業は、情報システム部門はコストセンターであるという意識が強いため、少人数で極力コストをかけずに運用しているのが実情ではないでしょうか。

このような状況のため、情報システム部はRPA運用やシナリオ作成をしている余裕がないのです。日本のITエンジニアの約7割はITベンダーやシステムインテグレーターに所属していますが、欧米では5~7割が一般企業に所属しています。ITの活用に対する日本と欧米の考え方の違いが表れているデータではないでしょうか。このため、残念ながら日本の中堅・中小企業には十分な人材がいないのです。さらに、RPA導入や運用を外部に委託するだけの予算を確保できない状況の中でどのように進めていくべきかを悩んでいる情報システム部の方が多いのではないでしょうか。

導入時のポイント

では、各部門でRPAを運用し、情報システム部でロボットを集中管理したいという要望を実現するためにはどうしたらいいのでしょうか。

1.ITに精通していない各部門でも扱えるRPAツールを選定する。
2.業務の棚卸から始めない。自動化できる業務から検討しない。
3.困った時に相談できるサポートがある製品を選定する。
4.ロボットが増えても集中管理できる仕組みがある製品を選定する。

この4点が特に重要なポイントになります。4つのポイントについて簡単にご説明します。

1.ITに精通していない各部門でも扱えるRPA製品を選定する

難しいRPAツールはITエンジニア以外の方が運用するのは現実的ではないでしょう。しかし、どのRPA製品も簡単だとアピールしていますので実際のところは操作してみるまで真実は分かりません。様々な製品がありますので、導入予定の部署の方に試してもらい、その方の意見を聞いて製品を選定することをお勧めします。中堅・中小企業のRPA選びは、「実際に使う人の意見が最も重要」です。通常は、価格、機能、性能などを比較して製品を選定すると思いますが、中堅・中小企業様でRPAを自社運用する場合は、機能や性能よりも「この製品なら自分達で扱えそうだ」という製品を選ぶことが重要なポイントとなります。

2.業務の棚卸から始めない。自動化できる業務から検討しない

RPAツールでできることが分からないうちにRPAで自動化する業務を洗い出そうとしてもうまくいきません。無料でトレーニングを受けられ一定期間試用できる製品もありますので、トレーニングを受けた上で試用することをお勧めします。実際にRPAツールに触れてみることで「あの業務は自動化できそうだな」「あの業務は自動化できそうにないな」と頭ではなく感覚で理解できるようになります。その上で自動化できそうな業務をピックアップする方が効率的です。

3.困った時に相談できるサポートがある製品を選定する

いくら簡単な製品を選定してトレーニングを受けてもすぐに自由自在に業務を自動化できる訳ではありません。困った時のサポート内容については確認しておいた方がよいでしょう。「困った時にシナリオを確認してくれる」「メーカーやエンジニアの方と話しながら相談できる」などの手厚いサポートがあれば安心して自社運用にチャレンジできます。

4.ロボットが増えても集中管理できる仕組みがある製品を選定する

ロボットが増え、各部門で多くの自動化シナリオが稼働し始めると情報システム部としてはロボットやシナリオの管理が課題となります。「業務に関係ないシナリオはないか」「設定を変更されてしまいシナリオが動作しない状態にならないか」「稼働していないロボットはないか」などの不安がでてきます。集中管理の機能については「RPAの導入がうまくいってから考えればいい」と思うかもしれませんが、多くのシナリオが稼働するとRPAツールに移行するためのコストが非常に高くなりますので、ロボットの台数が増える可能性がある場合はロボットが増えた際に集中管理機能を追加できるかどうかについても導入前に確認しておくことをオススメします。

まとめ

今回は、中堅・中小企業の情報システムの方のRPA導入に対するお悩みや導入時のポイントとあわせ、人手不足が深刻な情報システム部の方々の負荷を最小限にとどめ、かつ、成功率の高い導入方法についてお伝えしました。「導入コンサルやシナリオ作成を外部委託せずに自社で運用したい」「情報システム部ではなく各部門でRPAを運用したい」という方々は是非、参考にしてください。

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ペンネーム アバ太

EzAvaterで事業を始めた人。1児のパパ。

趣味:ロードバイク ヒルクライム
悩み:家の近くに山が無いこと
好きな言葉:志定まれば、気盛んなり
好きなキャラクター:
鬼滅の刃 善逸
キャプテン 谷口

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