RPAツールのサーバー型とデスクトップ型の違いとは?

2021.5.10

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RPAの導入を検討し始めたとき、どのようなツールを選べばいいのか悩んだことはありませんか?RPAの導入を成功させるには、ツール選びは非常に重要なポイントになります。RPAの比較の軸は複数ありますが、今回はその中でも1番はじめに考えるべきポイント「サーバー型RPA」と「デスクトップ型RPA」について、それぞれの特徴と、サーバー型RPAが向いている企業/デスクトップ型RPAが向いている企業について解説します。

■ もくじ

サーバー型RPA・デスクトップ型RPAの特徴

一般的にRPAは「サーバー型RPA」と「デスクトップ型(クライアント型)RPA」の大きく2種類に分けられています。この2種類の最も大きな違いは、システムの形態です。

サーバー型RPAは複数のPCと接続されている専用のサーバーにRPAのソフトウェアをインストールします。サーバーにRPAをインストールすることで、複数の端末を一括で管理することができるため、大量のデータの処理や横断的な業務自動化が可能です。

デスクトップ型RPAは各PCに直接RPAのソフトウェアをインストールします。個別のPCで行う作業の自動化が手軽にでき、低コストで導入が可能です。大量のデータの処理には適しませんが、部門単位などの小規模導入に向いています。

サーバー型RPA・デスクトップ型RPAのメリット/デメリット

次に、サーバー型RPAとデスクトップ型RPAそれぞれのメリット/デメリットについて解説します。

サーバー型RPAの場合、大量のデータ処理が可能なため、処理件数の多い基幹業務などの自動化に向いており、比較的導入効果が目に見えやすいという特徴があります。また、作業の自動化にとどまらず、運用や端末の集中管理ができる点も特徴です。

一方で、サーバー型RPAのデメリットはコストです。専用のサーバーを設置する必要があるため、初期費用が高くなる傾向があります。そしてRPAツール自体もデスクトップ型RPAと比較すると費用が高くなります。また、自動化対象業務の範囲が広く、自動化シナリオの開発も難しいツールが多いため、業務洗い出しのコンサルティングやロボットの開発の費用が大きくなる場合があります。

デスクトップ型RPAの最大のメリットはコストです。サーバー型RPAと比較すると、圧倒的に低コストなため、導入費用を抑えることができます。また、PC1台から導入できるツールが多く、部門単位での導入やスモールスタートができるのが特徴です。
自動化シナリオもノーコードで開発できるツールが多く、より簡単に業務自動化ができる点もメリットです。一方でデスクトップ型RPAのデメリットは、大規模な業務の自動化、大量のデータの処理には向かないという部分が挙げられます。また、ツール単体では集中管理ができません。デスクトップ型RPAでも集中管理がしたい、という方は後述の「デスクトップ型RPAでも自動化シナリオや端末の集中管理を実現する方法」を参考にしてみてください。

サーバー型RPAが向いている企業、デスクトップ型RPAが向いている企業

では、自社に向いているRPAはどちらになるのでしょうか。サーバー型RPAとデスクトップ型RPAを選ぶポイントと、それぞれの特徴や長所/短所を踏まえつつ、向いている企業/向いていない企業について解説します。

サーバー型RPAとデスクトップ型RPAを選ぶ際は、以下の3つを明確にしましょう。

  • 予算
  • 自動化したい業務の範囲
  • 誰がRPAを運用するか

この3つを最初に決めておくことで、自社に合ったRPAを選ぶことができます。

次にそれぞれの向いている企業/向いていない企業についてです。

サーバー型RPAは全社で横断的な業務の自動化が必要な企業に向いています。大量のデータの処理が得意なため、大規模な導入に向いているといえます。例えば、金融機関や大企業の全社的な導入ではサーバー型RPAが選ばれる傾向があります。それに伴い、開発リソースや初期費用を計画的に見積もっておく必要があります。逆に、大量のデータ処理が必要ない小規模な導入や低予算での導入には向きません。

一方でデスクトップ型RPAは、初期費用がかからないことが多く、ツール自体の費用も比較的低コストなため、スモールスタートしたい中小企業や部署単位や個人など小規模での利用を考えている企業に向いています。また、サーバー型RPAに比べ、自動化シナリオの開発も比較的容易なため、社内に専門的なスキルをもったエンジニアがいない企業でも導入が可能な製品もあります。
しかし、中小企業や部署単位であっても大量のデータ処理が必要な場合や、処理速度が求められる場合はデスクトップ型RPAではなく、サーバー型RPAを選ぶことをおすすめします。

デスクトップ型RPAでも自動化シナリオや端末の集中管理を実現する方法

ここまで、サーバー型RPAとデスクトップ型RPAの違いについて解説してきましたが、

デスクトップ型RPAを選ぶ場合、自動化シナリオや端末の管理について、不安がある方もいらっしゃるかもしれません。そこでデスクトップ型RPAを比較する際にチェックしておきたいポイントが「管理サーバー」です。

管理サーバーの役割は、デスクトップ型RPAを集中管理することです。具体的には以下のような機能が代表的です。

  • 複数端末の一元管理…各端末のログ情報の収集や一元的なライセンスの適用
  • 自動化シナリオの一元管理…総シナリオ数やシナリオの稼働状況の把握
  • ガバナンス強化…自動化シナリオの実行状況の監視を行い野良ロボット*の発生を対策

*野良ロボット…作成者や管理者が不明のロボットのことで、放置すると、野良ロボットによって正しいデータが書き換えられる、システムに負荷がかかる、業務に関係のない不正な動きをするロボットの発生などの弊害が起きることがあります。

管理サーバーを導入することで、サーバー型RPAより初期費用を抑えつつも、自動化シナリオや端末を集中管理することができ、ガバナンスの強化にもつながります。デスクトップ型RPAを検討されていて、端末の管理やガバナンスについて懸念がある方はぜひ管理サーバーの導入をご検討ください。

まとめ

最後に、ここまで解説してきたサーバー型RPA・デスクトップ型RPAの違いを表にまとめました。サーバー型RPAとデスクトップ型RPAで迷ったときは、以下の表を参考にしてはいかがでしょうか。

サーバ型デスクトップ型(表)

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アイコン_齊藤
ペンネーム りっぴ

大学卒業後、新卒でテリロジーに入社。EzAvaterの営業を担当。
出身地:神奈川県大和市
趣味:ピアノ、ゲーム
好きなゲーム:ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド、GHOST OF TSUSHIMA など

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