RPA+AIで何が実現できるのか?RPAの未来を徹底予想

2023.11.27

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昨今では、ChatGPTなどの生成系AIの台頭により、AIの存在はより身近なものになってきています。以前よりRPAツールとAIの連携は、多くの企業で検討され注目を集めています。そこで本コラムでは、RPAとAIの違いから将来実現できることの予測まで、RPAとAIに関する分析を解説します。

RPAとAIの違いとは?

まず、RPAとAIのそれぞれの定義について確認し、その違いを解説します。

RPA(Robotic Process Automation)とは、ソフトウェアロボットによってプロセスを自動化する技術です。PC上で人間が行う繰り返しのルーチンワークを人間の代わりに自動で処理します。
一方で、AI(人工知能)とは、コンピュータプログラムがデータから学習し、推論・問題解決などのタスクを遂行する技術を指します。機械学習やディープラーニングなど、多岐にわたるアプローチがあり、画像認識、音声処理、言語翻訳などの複雑なタスクをこなすことが可能です。

この2つは「目的」と「機能」どちらにおいても違いがあります。
まず、RPAは事前にプログラムされた手順を自動化することに特化しており、主に反復作業の処理を目的とします。一方でAIは、複雑な認識や判断に用いられます。また、機能の点においては、RPAはあらかじめ定義された特定のルールに基づいて処理を自動化するのに対し、AIは機械が学習したデータをもとに複雑な認識や判断を行います。
分かりやすく例えると、RPAは「手足」、AIは「脳」の役割を果たすという点において大きな違いがあります。

RPA×AI連携の現在

RPAは自らの判断能力を持たないため、あらかじめ人間が特定のルールや条件を設定する必要があります。また、設定できる条件にも限りがあり、高度な判断が求められるような業務に適用することは難しいといわれています。また、条件の設定についても、ある程度のITスキルが求められるため、誰でも簡単にルール設定ができるとも限りません。
そこでAIの「複雑な認識や判断を行う能力」を組み合わせることで、より柔軟な業務の自動化が可能になります。

現時点でも、すでにRPAとAIを組み合わせた活用は進んでいます。その代表例がAI-OCRとRPAの連携です。

AI-OCRとは、光学文字認識技術(OCR)をAIと統合したものです。OCRは、画像やスキャンされた文書から文字を検出し、その文字を機械が処理できる形式に変換する技術です。AI-OCRは、さらに機械学習やディープラーニングといったAI技術を活用することで、手書き文字や複雑なフォント、異なる言語の文字にも対応でき、読み取り精度も向上したものです。

AI-OCRを用いて、手書きのFAXや申込書などに記入されている文字をRPAが処理できるcsvなどの形式に変換し、その文字データをもとにRPAが転記や加工といった処理を行う、といった活用がされています。(活用例①)

これまでは、手書きデータは人間が目で見た文字を手作業でデータ化する方法のみでした。しかし、この方法では膨大な時間がかかるうえ、本当に人間がやるべき高度な仕事に割ける時間を繰り返し作業に使わざるを得ないということになります。

AIの技術を使うことでRPAだけでは自動化が実現できなかった業務も自動化できるようになり、より活用の幅が広がっています。

未来のRPAとAI連携の可能性

RPAの機能の進化のステップとして、一般的に以下のように定義されています。

RPA1.0 単純な定型業務の自動化
RPA2.0 AI-OCRやチャットボットを用いた、より高度な自動化
RPA3.0 AI技術連携を用いて意思決定や分析を行う自律的な自動化

現在は、RPA2.0の段階にあるといわれています。将来的には、RPA3.0のような、より高度な技術に発展する可能性があります。

例えば、AIの予測能力を用いることで、例外的な処理をスムーズに行ったり、AIの自然言語処理(NLP)の技術を利用することで、RPAが文書やメッセージの内容を理解し、適切な処理をするといった高度な判断を伴う業務の自動化が可能になります。
さらに自動化プロセスそのものだけでなく、AIのデータ抽出、予測機能を用いることで人間の判断を手助けすることも可能です。例えば、RPAが注文データの処理を担い、AIが顧客の注文履歴や市場の動向を分析し、最適な在庫管理や販売戦略の立案するといったことが可能になります。

しかし、RPAとAIの連携は多くのメリットがある一方、以下のような懸念点があることも知っておく必要があります。

・AIが学習するデータの品質が低かったり、偏りがある場合、分析結果も信頼性を欠く場合がある
・アルゴリズムが偏ったデータから学習した場合、差別的な判断を下す可能性がある
・AIが個人情報を処理する際、法的な制約や規制を遵守する必要があり、データの取り扱いについて慎重に対応する必要がある

このような課題があることを知ったうえで、AIの活用を進めていくことが求められます。

まとめ

RPAとAIの連携の現在とAIの連携によってRPAの可能性がどのように広がるのかについて解説しました。現在RPAを活用しており、AI連携について気になっているという方、RPAは導入していないが、AI連携で実現できることが増えた時に導入したいと考えている方にとって本コラムがお役に立てれば幸いです。
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アイコン_齊藤
ペンネーム りっぴ

趣味:ピアノ、ゲーム
好きなゲーム:ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド、GHOST OF TSUSHIMA など

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